道法自然 ―自然の中には全てが表される
愛情豊かな人、子や孫に愛される人になる
今回は、還暦からの正しい生き方の実践編になります。
-して-して自分の本体が永遠の命であると学ぶ。
まさに精神世界への還暦という赤ん坊からの出発です。
今まで、人間性や精神性を高めてきた方もいます。
でも、それは、出世のため、成功者になるためのものでした。
これから行う人間性や、精神性を高める目的は、赤ちゃんのように素直に学習して自然体の本物の自分を知ることです。
人間性を高めるにはまず、愛情の豊かさが必要です。
愛とは
1.親子・兄弟姉妹のいつくしみ合う心
2、あらゆる人やものへの思いやり
3.男女間の愛情、可愛がること・愛でる事・大切にすること。
4、好むこと
5、仏教、愛欲 キリスト教、神が人類に幸福を与えること
多くの人は、自分が愛情豊かな人間であると思っていますが、相手に十分伝わっているか・相手から十分愛されているか、自信がないのではないでしょうか。
それは、今まで、愛について深く考えたことがないからです。
今は、たっぷり時間があります。
十分に考えてみましょう。
そして、愛情豊かな人になりましょう。
自分の愛は自分らしい自然体の純粋な愛情だったろうか。
それが道を分母にすることで簡単にわかる。
道は楽なり!です。
上善は水のごとし(8章)。
そうです。
水のような愛情です。
ぶれない安定した愛情、
深く落ち着いた愛情、
公平な、嘘のない、愛情、
相手の喜ぶことをタイミング良く与える愛情。
そして、与えたことを自慢しない、対価を求めない、人と競わない、愛情。
この通り行えば、あなたらしい自然体の愛情が子・孫とも交流できます。
万物同根
宇宙に存在するもの全ては真空から生まれた同根である。
これを知ることで、全ての物・人に対する思いやりや、いつくしみ・愛情がわいてくる。
あなたはこの二つの道を実践するだけで、愛情豊かな人になれるのです。
では個々のケースで実践をしてみましょう。
愛情豊かな人になるには、自分を愛することです。
自分は小宇宙であるから、自分の中には妻・夫や子供も他の全てが存在している。
従って、自分を愛せば、妻・夫や子供も他の全てを愛することができる。
自分を愛せないと、他の愛し方もわからない。
自分を愛する基本は、健康管理です。
健康は、経済的な安定・子供に迷惑をかけない・余裕の日常生活・自由で豊かな人間性を保証してくれる。
だから、正しい健康管理法は、人間性を高めるために還暦以降の必修科目です。
自分の体に「水のような愛情」を注いでいますか?
「顔も、手足も、内臓も、脳も」差別をしないで手入れしていますか?
万物同根です。
同じように全身手入れをすることが肝要です。
自分の体に、毎日「水のような愛情と万物同根=差別のない愛情」を注ぐことで、あなたは自然に妻や子も他の全てを愛する愛情豊かな人になります。
子や孫に愛される人になるには、水のような愛情を注ぐだけで大丈夫。
子や孫に
ぶれない安定した愛情、
深く落ち着いた愛情、
公平な愛情、
嘘のない愛情、
相手の喜ぶことをタイミング良く与える愛情、
与えたことを、自慢しない、対価を求めない、人と競わない、愛情!
あなたは、これらの愛情のほとんどを実行していると思います。
このうちで欠けているものだけを加えれば大丈夫。
まとめ
愛情の豊かな人、子供や孫に愛される人になるには、
まず、自分を愛することです。
健康管理を十分行い、自分の体に「水のような愛情」を注ぐことです。
自分の体に「水のような愛情」注ぐと、その積み重ねで、いつの間にか妻・夫や子も他の全てを愛することができる愛情豊かな人になります。
それを自然に子や孫に注ぐだけで大丈夫です。
人体は小さな宇宙
今回の老子講義の目的の一つに「より自由になる!」があります。
この自由になるには、「人体は小さな宇宙である」ことを知ることが、もっとも手っ取り早い。
「人体は小さな宇宙である」とわかると、
正しい考え方・判断力が身につき、自分に自信がつく。
すると、知識や常識にとらわれた窮屈な考え方や、欲に惑わされた間違った判断をしない。
その結果、より自由で、自然な生き方が可能になります。
タイトルの「人体は、小さな宇宙」という言葉は、一般的には1989年の NHK スペシャルの大型ドキュメンタリー企画「驚異の小宇宙 人体」が有名です。
総数60兆個ともいわれる細胞からなる人体の組織の精緻な機構を最新の科学的な知見をもとに解明している。
ご覧になった方も多いのではとおもいます。
専門的には、東洋医学、思想・相道(人相・手相ほか)・仙道では、日常的に使われています。
この元となっているものは、老子の「道が、全てを創った=万物同根」の考え方です。
道は、一元の気を生じ、それを陰陽の二つに分け、陰陽の間に、さらに三を生じた。
その三は、万物を生じた。
すなわち、全ては、道から生じたものである。
従って、全てのものは根っこが同じだ。
これが万物同根の考え方です。
人間は小宇宙で、万物同根だからできる
道に基づく正しい判断力
自分は小さな宇宙である。
自分の中には、宇宙の全てが詰まっている。
我は、神であり悪魔でもある。善人であり悪人でもある。親であり子でもある。
先日 NHK の大河ドラマで将軍秀忠が、家康を助けに駆けつけた親を思う子供の行動と、千姫の父親としての情の顔と、将軍の使命として秀頼を討ちはたす理性的な判断力の三つを使い分けていた。
1人が一日に3種類も違う事柄を、正しく判断することは大変難しい。1種類の判断でも正しいかどうか色々な意見があります。
まず、家康のもとに駆けつけたのは、軍規違反で重大な罰則うける恐れがある。
将軍が自分の娘のために画策しているのか、軍の士気に影響する。
徳川が豊臣を無理やり滅亡させようと、画策しているのは余りにも非情だ。
このように、全ての人が、納得できるような正しい答えはありえないのです。
1日のうちに、彼が三つの正しい判断をできたのは、子供の立場、親の立場、将軍の立場から素直に「それは自然かい?」と考えたからです。
それぞれの立場で、「それは自然かい?」と素直に考える。
これが、常識や知識にとらわれることなく、
自由に自然に正しく判断できる道の判断法です。
それは、人間が宇宙の全てを持っている小宇宙だからこそできる多面性です。
体も心もマイナスにして自然体で生きる
還暦からの正しい生き方
結論からいえば、マイナス(-)の生き方です。
(-)して(-)して(-)して、
「自分の本体が永遠の命」であると学ぶことです。
自分の本体である永遠の生命は、始めもなければ終わりもない。
それは、人間を含めて、宇宙のすべてが [ 道から始まり、道に戻る ] からです。
そのことを知るために、人間の一生を陰と陽に分けると分りやすい。
道の法則に「万物は陰陽からなり」があります。
そこで、人間の一生は120歳単位として、
能力を向上し、地位、名誉、財力を得るなど60歳までの陽+の期間と、
自分を磨き、精神世界を高めていく60歳以降の陰―の期間に分けることができます。
その陰-の期間の始まりが、第二の人生への出発点である還暦です。
還暦からの正しい生き方は、
陰たる自分自身(-)や、精神世界(-)を知ることです。
それは「人間とはなにか」を知ることことであり
又、自分の「人生の集大成」をすることです。
では、「人間とは何か」を道の立場から解説します。
物事を考えるときは、必ず道=原点に戻りましょう。
そして結論を導きだす。
これが正しい答えになります。
それを実践して成功した人が、松下幸之助氏や斎藤一人氏であり、超成功した人達です。
それを素直に実践していきたいと思います
「道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ。三は万物を生ず。」を原点にして、
人間を考えますと次のような答えになる。
人間は、
一元の気たる 命が生じ、
二(陰陽)たる 魂魄と肉体が生じ
三たる 神・気・精のエネルギーが生じた。
三たる エネルギーが万物をつくり出した。
従って人間とは何か、それは、
三たる 理性と、感情と、行動力のエネルギーを使い、
二たる 本能の魂や理性の魄と、肉体を磨き、
一たる、宿した命に従い(宿命)、命を運び(運命)、命を使い(使命)
永遠の命の向上を目指す存在です。
人間とは、現世で命(宿命・運命・使命)向上し、来世に生まれ変わるもの。
従って現世で可能な限り命を向上しておくが肝要です。
道に従った「人間とは何か」お分かりになりましたでしょうか。
さて、「この人間とは」、は今まで聞いたことはないと思います。
自分の知らないことは、まず信じてみる、やってみる。
これをなるほどと素直に、信じる人もいれば、信じない人もいる。
素直に信じた人の心の中にも100%の信頼はないでしょう。
信じない人の心の中にも、100%の疑いはないでしょう。
これが小さな宇宙たる人間の一面です。
ただ自分の知らないことを疑っては、何もプラスや成長にならない。
特に、人間性や精神面の事柄は、成長する必要があるので、
まず実行してみて、自分で確かめることが肝要です。
自分の「人生の集大成」
還暦は陰の人生への出発ですから、いきなり永遠の生命とは、身につきません。
また今緊急に必要ではないと思います。
そこで、一番初めにすることは、陽の時代の整理です。
例えば、陽の人生で、やり残した趣味や仕事をすること。
これも、整理をするという意味では、(-)といえます。
さらに、陽の時代にため込んだ日用品・趣味の物・仕事関係のものもろもろを1年ごとに一度は、整理してはいかがでしょう。
スッキリすると思いますよ。
道とは?徳とは?
道とは何?
道は首(ハジメ)と之(走る)。すべての始まりに戻る。という意味です。
すべての始まりは、宇宙の誕生とそれ以降の宇宙の法則です。
そんなバカでかい宇宙の法則がわかるわけがない。ではどうするか。
道法自然(老子25章)、道は自然の中に、その姿を現している。だから、
自然界を観れば道がわかる。いや、やはり自然も大きすぎる。分りにくい。
そうだ。人間は小さな宇宙である。宇宙をもっともよく表している存在だ。
だから、人間を知る事で道がわかる。
このように、宇宙=自然=人間という図式ができ上がる。
道は何か?が分かりたいときは、
宇宙や、自然や、人間をよく観察することです。
しかし、もし、
宇宙がわからないときは、自然界や人間を見る。
自然界がわからないときは、宇宙や人間を見る。
人間がわからないときは、宇宙や自然を見る。
そうすれば、宇宙も自然界も人間も
その「おおもと」である道も分かってくる。
道の概要を、兼田流にまとめれば、
道=宇宙や自然界や人間の、誕生~育・化・成・壮・老・死までの法則である。
徳とは何?
宇宙に存在するすべてのものが、道の顕れである「徳」です。
宇宙も星も太陽も地球も自然界も人間もすべて道の顕れである徳なのです。
例えば
人間の徳とは 「1人の人間の素直な心」です。
論語のように、仁・義・礼・智・信などのように決まりはありません。
人間の徳とは、宇宙の法則・自然の法則・人間の法則に素直な心で従う生き方です。
それが自然体の生き方です。
道の概要を具体的に分かるために
宇宙誕生の法則から観た道
老子は万物誕生の法則を次のように、語っている。
道は一を生じ、一はニ生じ、ニは三を生じ、三は万物を生ず。(老子42章)
これは、宇宙科学から見た宇宙誕生の仕組みと同じです。
道は
一元の気たる 真空を作った。 その真空がビッグバンを起こして、
二(陰陽)たる宇宙空間(陰―)と星(陽+)を生じた。その宇宙空間と星との間に
三たる 「空・間」=大気圏 が生じた。 大気圏が生じたので、万物が誕生した。
従って、万物はすべて真空からできた同根であり、万物は宇宙そのものである。
すなわち、万物は同根であり、万物は小宇宙である。
自然界から観た道とは、
上善は水のごとし。(老子8章)
自然界で道に一番近いものは水である。
従って、私たちは、水と同じような行動をとれば、決して間違うことはない。
人間から観た道とは、
人間を探求するために考案されたものが、導引(老子法)という体操と座禅であり、武道・占いや東洋医学です。
天下の至柔は天下の至堅を馳騁(ちてい)す。
有無くして、間無きに入る。 (老子43章)
もっともしなやかなものがあらゆるものの中で、最も堅いもの中に浸透していく。
柔軟な気は、こだわりの強い石頭・感情がでない心の闇や骨や癌細胞の中にも
浸透していく。うまく入れば、柔軟な発想、豊かな感情、健康な肉体になる。
(体の芯からのリラックスをマスターすると体感として理解できる。)
道は、これら宇宙、自然、人間から理解すると大変分りやすい。
しかし、道を深く体感するためには、個々の具体的な道徳を知ることも大切です。
そこで、具体的な道徳については、老子の解説を通じて明らかにしていきたいと思います。
まとめ
今回の老子講義の第1の目的は、皆さんが老子を読み、理解できるようになることです。
そうすれば自ずと道徳を実践できて、自由で、自然で、健康で・楽しく・若々しく・第2の人生を過ごし、魂の安らぎと永遠の命を得ることができます。
次回からは、
老子道徳経とは
老子は、名のごとく還暦以降の人に正しい生き方のお手本になる本です。
一般には、「清浄・恬淡・無為・自然の生き方=絶対的自由な生き方」が書かれている本と言われています。
清浄=清らかで汚れのないこと
恬淡=欲がなく、物事に執着しないこと
無為=自然のままに任せて手を加えないこと
絶対的な自由な生き方=誰かと何かと比べなく、自分自身が自由である。
今回の講義では、こうした一般的な解釈だけでなく、「道とは何か。徳とは何か」を理解して、実践していただきたいと思っています。
そのためには、第1の目的は、皆さんが老子を読んで、道徳を理解することです。
そうすれば、自ずと道徳を実践でき、自由で、自然で、健康で・楽しく・若々しく 第2の人生を過ごし、魂の安らぎと永遠の命を得ることができるからです。
老子を読んで理解するのはそれほど難しくはありません。
兼田流の読み方があります。
それにはまず、つぎのように老子の概要を大きく掴みましょう。
老子道徳経について
老子の書は、約5400文字の短編です。
その中に、道という字が76回、徳の字は44回現れる。
老子道徳経と言われるように、道と徳について語られた書物です。
その内容は、
「道という宇宙の法則」と、
「徳という自然流の自由な人間の生き方」が書かれている。
その読み方は 「道」はこういうことである。
「徳」とはこういうことである。
それに、素直に従って、 政治は、このように治めるべきである。
人間は、このような生き方をすると間違いがない。
そうすれば、争い・地位を追われること・不平不満はなく、楽しく幸せに過ごすことができると、シンプルで分りやすく書かれています。