かねだ流~老子講義~自然体の生き方

健康法(導引・呼吸法)と老子道の考え方をベースに自然体でラクな生き方指導をして40年。兼田流の独自の老子解説

人体は小さな宇宙

今回の老子講義の目的の一つに「より自由になる!」があります。

この自由になるには、「人体は小さな宇宙である」ことを知ることが、もっとも手っ取り早い。

「人体は小さな宇宙である」とわかると、

正しい考え方・判断力が身につき、自分に自信がつく。

すると、知識や常識にとらわれた窮屈な考え方や、欲に惑わされた間違った判断をしない。

その結果、より自由で、自然な生き方が可能になります。

タイトルの「人体は、小さな宇宙」という言葉は、一般的には1989年の NHK スペシャルの大型ドキュメンタリー企画「驚異の小宇宙 人体」が有名です。

総数60兆個ともいわれる細胞からなる人体の組織の精緻な機構を最新の科学的な知見をもとに解明している。

ご覧になった方も多いのではとおもいます。

専門的には、東洋医学、思想・相道(人相・手相ほか)・仙道では、日常的に使われています。

この元となっているものは、老子の「道が、全てを創った=万物同根」の考え方です。

ひらめき道は、一元の気を生じ、それを陰陽の二つに分け、陰陽の間に、さらに三を生じた。

その三は、万物を生じた。

すなわち、全ては、道から生じたものである。

従って、全てのものは根っこが同じだ。

これが万物同根の考え方です。

人間は小宇宙で、万物同根だからできる

道に基づく正しい判断力

自分は小さな宇宙である。

自分の中には、宇宙の全てが詰まっている。

我は、神であり悪魔でもある。善人であり悪人でもある。親であり子でもある。

先日 NHK大河ドラマで将軍秀忠が、家康を助けに駆けつけた親を思う子供の行動と、千姫父親としての情の顔と、将軍の使命として秀頼を討ちはたす理性的な判断力の三つを使い分けていた。

1人が一日に3種類も違う事柄を、正しく判断することは大変難しい。1種類の判断でも正しいかどうか色々な意見があります。

まず、家康のもとに駆けつけたのは、軍規違反で重大な罰則うける恐れがある。

将軍が自分の娘のために画策しているのか、軍の士気に影響する。

徳川が豊臣を無理やり滅亡させようと、画策しているのは余りにも非情だ。

このように、全ての人が、納得できるような正しい答えはありえないのです。

1日のうちに、彼が三つの正しい判断をできたのは、子供の立場、親の立場、将軍の立場から素直に「それは自然かい?」と考えたからです。

それぞれの立場で、「それは自然かい?」と素直に考える。

これが、常識や知識にとらわれることなく、

自由に自然に正しく判断できる道の判断法です。

それは、人間が宇宙の全てを持っている小宇宙だからこそできる多面性です。