かねだ流~老子講義~自然体の生き方

健康法(導引・呼吸法)と老子道の考え方をベースに自然体でラクな生き方指導をして40年。兼田流の独自の老子解説

よき兵器は不祥の器なり

優れた武器は不吉な道具である。
だから道を得た人は、優れた武器を使うことを好まない。
どうしても用いなければならないときは、恬淡であるべきだ。

武器を使って勝利を得ても栄光ではない。
それにもかかわらず栄光とするのは、人殺しを快楽とすることと同じである。
人殺しを快楽とするような人は、天下において望みを果たすことができない。

一般的に、おめでたい行事のときは左を上席とし、不吉な行事の場合には右を上席とする。貴人たちがふだんの生活では左を上席とするが、戦いにはいれば右を上席としている。(昔の日本の政治でも左大臣が上席で右大臣がその次である)

しかし、軍隊では、大将は右に位置し、副将は左に位置している。
ということは、葬式の礼法に従っていることである。

戦争に勝つこと、すなわち殺した人の数がおびただしければ、深い悲しみをもってすすり泣くべきで、戦いに勝つものは葬式の礼法に従うべきなのである。

老子の根本的な考え方に、"不争"がある。
従って、この章は戦争を悲しむべき行為であるとしております。

導引を実践し、老子を勉強することで、自然に"不争"すなわちあらゆる面で争いごとが少なくなっている。
しかも殺生を避け、命の輪廻に気づき、人間が自然界に生かされているということにも気づいてきている。

それが知識としてでなく道理(当たり前のこと)として理解できている。

この成果を理解し、喜び、導引・老子に縁があったことを感謝したい。