自然体の生き方とは
自然体の生き方には二通りあります。
一つは、自然の中で自然と共に生きること。
二つ目は、道を規準として生きること(上善は水の如し)です。
一の生き方は現状の環境では難しいので、二の、「上善は水の如し」の生き方と、半年間で解説してきました老子1章~21章までに書かれている「徳」のある生き方をまとめてみました。
「上善は水の如し」(8章)の生き方としては
住居は地盤のしっかりした土地に住み、心は奥深い、人には公平に与え、言葉は真実を語る、政は治めることを大切にし、物事は能率良く処理し、行動はタイミング良く行う。
そして、万物に恵を与え、争わず、人の嫌がる場所にも満足している。
このような道に沿った生き方をすれば、自然に次のように徳のある生き方ができる。
徳のある人とは
神秘的な洞察力を備え、慎重で注意深く、礼儀正しく、柔軟で、重厚であり、度量が広い。
利己心や欲望も少なくなり、存在しているだけで人徳の素晴らしさが相手に自然に浸透していく。
判断を間違えない人
明察の人でもあり、正しい判断ができ、自分を見せびらかせない、自分を正しいとしない、地位にしがみついない、和光同塵(自分で褒めない、誇らない)から生涯を間違いもなく、禍もなく、無事に過ごすことができる。
自分の内部にある道の無限のエネルギーを(21章)大切にする。
善悪・美醜・得損・富貧・賢愚に心を奪われることや、仁・義・礼・智・信といった考え方という外界のものにとらわれない。
すると、内部にある道の無限のエネルギーに気づき、心身の健康状態が良くなり一切を無にすることができ、四苦八苦からも解放される。
永遠の生命を知る
また、1人静かに静坐をし、道の紀を知り(14章)、道の表れである人間も無限であり、身が滅んでも大丈夫(16章)であることがわかる。
そして、自分が永遠の命を持った存在であることに安心する。
ここまで来ると、現世で行う使命も明確になる
ただ道に従い(21章)、母(道)に養われていることを貴び(20章)、迷いのない、より自由に・自然で・健康で・楽しく・若々しい自然体の人生を過ごすことができます。