かねだ流~老子講義~自然体の生き方

健康法(導引・呼吸法)と老子道の考え方をベースに自然体でラクな生き方指導をして40年。兼田流の独自の老子解説

老子48章 学を為せば日に益し、道を為せば日に損す。

この章は、儒家や法家など他の学派と道家が根本的に違うことをはっきりと教えている。他の学派は、学問を学び知識を深め、人間としての理想像を探求し・形成し、有能な人材になり、成功者になることを目指している。

しかし、道家は道を知り、道と一体になることが目的である。
そのためには自分の持っているものをどんどん放下して無になっていくことだ。

例えば導引をしてコリ、苦しみ、こだわり、など邪気をどんどん無くしていく。

さらに、老子を読み、差別の心、所有の欲、執着心(無差別・無所有 ・無我執)など人間の作り出した心を清算払拭していき、やがて全く偏見・我欲のない「無為自然、全ては一つ、我すなわち宇宙生命体=道なり」という悟りに達することである。

 

道=宇宙生命体はあらゆるものの創造主であり万能の能力を持っているから、この悟りに達することが出来た者は、自ずと万能になり、自由自在な生き方ができるようになっていく。

従って、そこまで高められた人間でなければ天下を取る資格はない。

老子が語っていることに間違いはないはずである。現世ではこのような立派な人間が天下を取ったという実例はないが、来世ではこの様な人物が天下を取り、天国を治めているだろう。

私たちはすばらしい人物が統治している天国に入るために、道を知り、道と一体となった自分を形成しておき「我は宇宙生命体なり=道そのものである」との自覚を持っておきたい。

それが現世における人間として最高の修行になり、輪廻転生する永遠の命のレベルアップになり、しかも、道を治めた人物が統治している天国に入る事ができるだろう。

これこそが導引を実践し、かつ、道を勉強している者たちの特典であると思う。